Camino week4:統合期 vol.3

My Journey

こんにちは,あさみんです。

私は,2022年8月にイギリス留学を終えた後,スペイン・カミーノ巡礼をしました。

カミーノは,約1,000年以上の歴史のあるキリスト教の巡礼の道であり,世界三大巡礼の1つです。

フランスとスペインの国境にあるサン・ジャン・ピエ・ド・ポーからサンティアゴ・デ・コンポステーラを結ぶ,最もポピュラーなフランス人の道(Camino Francés約780kmを歩きました。

その後,サンティアゴ・デ・コンポステーラからフィ二ステーラ,ムクシアまでを結ぶ,フィニステーラ・ムクシアの道(Camino de Fisterra y Muxía約120kmを歩きました。

約900km,29日間かけて歩く中で得た,気づきや学びの経験を,「心の探求」の視点からまとめてみました。

さぁ一緒に,心の山歩(さんぽ)に出かけましょう。

Day29: Fisterra – Muxia (27.9 km) 

私の理想の人

カミーノを歩き続けて,29日目…巡礼の最終日。

朝,波の音と鳥の囀りを聴きながら歩く。

とてもリラックスしながら歩いている。

私には,こんな静かな場所が合っている。

カミーノの生活って,全てが丸裸なんだよね。

自分という存在をありのままに,自分にも他者にも出していく。

だから,周りの目を必要以上に気にしなくなったし,羞恥心が低下した。

その代わりに,「リスペクト」と「アクセプト」が高まった。

夕日を見に行ったら,ミハエルと灯台で再会した。

DDとオリビアは,お昼にバスでサンティアゴに戻ったんだって。

最後,きちんとお別れできなかったな…でも,きっとまたどこかで会えるから大丈夫。

ミハエルとはゆっくり話してみたいと思っていたけど,正直ここで会うとは思っていなかった。

彼とランチしながら語り合った。

彼は,チェコの小さな村で育った。

以前はパン屋さんで仕事をしていたけど,今はデンマークで彼女と一緒に住みながら,インフラ整備の仕事をしている。

彼の夢は,船のライセンスを取ってクルーズすること。

少し前までは,カミーノの後に彼女にプロポーズをして結婚すると決意していたけど,巡礼を終えた今,正直迷っているって言っていた。

結婚して,子供ができた時に,彼が心からやりたいこと…海の近くで暮らして,海に出ることができるのか?…好きな人と一緒に居たいという気持ちは変わらない…でも自分のやりたいことができるのか…葛藤が生まれていた。

彼は,穏やかでとても優しい。

自然が好きで,海と山を愛し,静かな場所を好む。

もし彼に彼女がいなかったら,私は彼に恋をしていたかもしれない。

ランチの後に,一緒に海に行った。

本当に美しい砂浜だった。

今日は,ずっと天気が良くなかったのに,そこに2人でいた時間は,太陽が顔を見せてくれた。

心も体も温かい。

海に足をつけて,一緒に遊んだ。

砂浜で足を乾かしながら,ビールを飲む。

そして,横になって,ゆっくりと波の音を聴いた。

すごく平和で穏やかな時間だった。

韓国人のソンと,川沿いでビールを飲みながら語り合った時の感覚と似ていた。

DDの言葉を思い出す。

「僕たちには,こういう時間を共有できる仲間が必要なんだ」

ありのままの姿で,穏やかな時間を一緒に過ごせる人。

私にも,こんなパートナーがいたら,心から幸せだろうなって思う。

Day30:Muxia

一期一会

今日は,ムクシアで1日ゆっくり滞在することに決めた。

韓国人のスーと再会した。

すごく,すごく彼女に会いたいと思っていた。

彼女はフィニステーラからムクシアに歩いてきたばかりですごく疲れていた。

再会の挨拶だけ簡単にして,その場ですぐに別れた。

すごく会いたい!話したい!と思っていても,お互いのタイミングが合わないと難しい。

会えている時間,穏やかな時間を過ごせていること自体がすごく貴重なんだと思う。

だからこそ,その一瞬一瞬を大切に生きたい…生きていこう。

それが,私が自分の人生を後悔なく生きることにつながる。

シャワー浴びた後に,ミハエルから連絡が来た。

ポルトガル人の友達に飲みに誘われたから一緒に行かないかって。

結局,彼の友達はアルベルケで別の仲間と飲むことになり,2人でBARへ行った。

ワインを飲みながら,彼は家族との関係について話してくれた。

彼が「家族」だと思える存在は,親友とおばあちゃんだけであること。

両親・兄弟は,自分の「家族」だとは考えていないこと。

私が貴方の立場だったらとても悲しいと伝えたら,「それは僕の問題ではなく,彼らの問題だ」って言った。

そこに至るまでに,彼は本当に多くのことを乗り越えてきたんだと思う。

彼は,いつも笑顔で優しい。

でもその裏には、多くの孤独を抱えてきた。

カミーノをスタートした日,彼も私と同じように,現金をもっていなかった。

そして困っていた時に,出会った男性に,ATMに連れて行ってもらったり,アルベルケの代金を払ってもらったり…無償の愛を受け取った。

1人でいることを好み,人からの助けを否定してきた彼を,カミーノは初日で変容させた。

その経験から,彼はとてもオープンになった。

オープンでいることが,彼の求める深い関係性を築いていく上で,大切だって気付いた。

そして,SNSよりもダイレクトなコミュニケーションを好み,会話を楽しむことを大切にしているところも,彼の魅力だ。

ミハエルが,これからもずっと幸せでありますように。

Day31:Muxia – Santiago (Bus)

自分を写す鏡

サンティアゴ行きのバスの中で,ミハエルとの会話を思い出しながら,自分自身のこれまでを振り返っていた。

おばあちゃん・おじいちゃんと,きちんと向き合ってこなかったことへの後悔…もっと甘えて,一緒に過ごす時間を楽しめばよかったな…とかそんなこと。

思い出していたら,ポロッと涙がでた。

今の私にできること…日本に帰ったら,家族との時間を大切に過ごすこと。

サンティアゴに到着後,お土産の物色に繰り出す。

その帰り道に,どこかのアルベルケで出会った男性をBARで見かけた。

目が合って挨拶をする。

彼も私のことを覚えてくれていた。

ちょうど小腹も空いていたので,ワインとチーズを頼んで彼の隣に座った。

ギリシャ出身でドイツ在住の30代前半の彼は,軍隊を辞めて,家も引き払ってカミーノへ来た。

彼の話は,お金の話が大半だった。

「お金に対して,不安があるの?」と聞くと,両親がpoorだったことが影響して,いつも不安がつきまとっていると答える。

「カミーノを終えて,今どんな気持ち?」と問いかけると,彼は「empty」と答えた。

サンティアゴに辿り着くことを目標に歩き続けてきた。

そして目標を達成して,フィニステーラ,ムクシアと歩き,そしてサンティアゴに戻ってきた。

でもこの先,どうしたら良いのか分からない。

他の人たちは,バケーションでカミーノに来て,日常に戻るだけ。

僕は,全てをストップしてカミーノへ来た…彼らとは意味合いが違うと,彼は語った。

私の心と重なった。

仕事を辞めて1年間が経つ。

無給で学生気分のまま,カミーノに来ている。

この後,ポルトガルにまた旅に出る。

正直,この先の人生についても,まだ霧の中。

このまま,私は遊び呆けて過ごしていて良いのか不安になる。

でも,これは私が選んだ道だし,後悔はない。

だから彼に,「私もあなたと同じ状況だよ。彼らは日常に戻らないといけない。でも私たちは,非日常を続けられるんだよ。それを私たちは望んで,この道を選んだんだよね?」と問いかける。

彼はしばらく黙って考えていた。

何となくポルトガル人のエドガーと初めて会った頃の彼と似ている気がした。

私と話しながら,自分の中の何かと葛藤している。

客観的な幸せに囚われて,自分を見失ってしまっているように見えた。

そして時間を無駄にしたくない…と言いながら,時間に囚われて,今この瞬間を楽しめていないような…まるで,以前の私のようだ。

「何かすごく苦しんでいるような気がするけど,なぜ?」と問う。

彼は「これまで成功してきた。そしてこれからも成功するだろうと思っている。でもそのために,困難を乗り越えないといけない…それはとてもタフなことだから」と語った。

それもすごく理解できた。

日々の出会いは,自分を写す鏡だ。

私が出会う人たちの姿,あり方を通して,本当の自分を見ている…そんな感じがする。

こうして,私のスペインカミーノ巡礼 約900kmの1ヶ月間の旅を終えた。

正直なところ,まだ自分の中で,この旅での学びと気づきを咀嚼できていない部分が多すぎる。

ポルトガルを旅しながら,帰国するまでもう少し,自分なりに形にしていく必要がある。

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